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  • 2023.03.19 Sunday
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旅のスケッチ

いわさきちひろ

『ちひろ 秋の画集』p58より

 

秋は旅の季節。

 

安曇野でも10月の週末はどこでも割合と人が多い。

いつもはするっと入ることができるお店も賑わっています。

紅葉を見に来る人も多いのかもしれません。

 

「ちひろ 秋の画集」にも旅のスケッチが載っています。

長野県はちひろさんの故郷ですから、松本〜安曇野、黒姫高原あたりに秋の旅によく行ったのかな?

 

このスケッチは松本の浅間温泉、茶臼荘にて・・とメモしてあります。

とても好きな作品です。

 

スケッチに添えてあるのは、息子さんである松本猛さんの言葉。

 

「すみませんが机をもうひとつ貸してくださらない」

母は宿につくといつもそうたのんでいた。

運ばれてきた机は窓側の明るいところへ置かれる。

「何にお使いになるんですか」

「ええ、ちょっと絵を描くもので・・・・」

すこし、はにかみながら母は答える。

 

一部抜粋

 

旅の途中、こんな会話があったのですね。

 

旅館でのワンシーン、そして明るい窓際でさらさらとスケッチを描くちひろさん、その場面がふわりと浮かんできます。

ただ机の上のモノをスケッチしているのではなく、旅の空気感や気持ちも紙の中に閉じ込められている気がするから不思議です。

 

そうそう、このページが好きな理由は文章の中にもあります。

 

「ええ、ちょっと絵を描くもので・・・・」

 

ちひろさんのこの言葉。

描く作品のままの人だったのだと思えるのでした。

 


ちひろさんの本棚と長さんの脳内地図 安曇野ちひろ美術館

 

誰かの家におじゃまして、部屋をぐるりと見回す時に最初に目に入るのはどこですか?

 

私は本棚です。どんな本があるだろう?って思わずじーっと見てしまう。

 

本棚はその人をうつす鏡のようなもの。

意外に冒険家な心を持っていたり、はたまた実は心の奥で暗い気持ちがあるんだとビックリしたり、同じような本をすきだと嬉しかったり。

 

今回の「愛書総覧 ちひろの本棚」はこんな風に本棚から映しだされる“いわさきちひろ”の姿を見ることができます。

 

 

展示ではちひろさんが大切に残してきた本やその関連書籍が並んでいます。

 

ちひろさんの本棚から。1954年刊行の『小公女』。

 

そしてちひろさんといえば、アンデルセン。

世界の童話の中でも最も愛したのがアンデルセンです。

 

ここではたくさん描いたアンデルセン童話の挿絵を見ることができます。

 

映画が大好きだった・・という話は初めて知りました!

映画ファンなら誰でも知っている雑誌『スクリーン』。

本棚に残っていた貴重なバックナンバーです。

 

当時、映画は最高のエンターテイメント。

外国から届く映画は多くの作家に影響を与えています。

若かりしちひろさんも胸をときめかせて映画館に通ったのかな?と思うと、ひとりの女性として身近に感じますね。

  

 

日本文学も愛したちひろさん。

女学校の頃から好きだった万葉集、そして宮沢賢治の作品との出会い、晩年に愛読した世阿弥。

 

世阿弥の一文をメモに残していました。

 

後期の作品では少ない線で深い世界を表現していたちひろさん。

世阿弥の世界に心通じるものがあったのでしょうか。

 

こうして本へのエピソードとともに描かれた世界を見ていると(あ、これ読んでみよう)と

今まで手にしなかった本も読みたい気持ちがむくむくと湧いてきました。

 

ちひろさんが読んだ本、私は何を感じるかな?

 

新しい刺激をくれるとてもすてきな展示でした。

  

+ + + 

 

そして、同時開催中の展示「長新太の脳内地図」展もご紹介します。

 

長新太

 

こちらは以前、ちひろ美術館・東京で2015年に開催された時にも見に行きました。
ですが、同じ内容でも
展示場所と展示方法が違うと見えてくるものも違うから不思議。
また私自身も違う時間にいるからでしょうか?
感じ方も違っていて、新たな発見もあり面白かった!
 
そして、やっぱりどちらも魅力的でした。
 
 
「どんなことだって決まりなんてないんだよ」って言っているような絵本たち。
のびのび。
 
長新太
へんてこライオン、キャベツくんにブタヤマさん・・
創造する世界は自由で気ままで無限。
必見です!
 
安曇野でもぷかぷか浮かぶゴムあたまポンたろう。。。
 
 
ちひろさんの本棚と長さんの脳内地図。
ふたりの絵本作家の心を読み解く展示がふたつ。
ふたりは絵柄や表現は違っても、絵本に向かう姿勢や気持ちは近いものがあったのではないだろうか?と感じたのは今回も同じでした。
 
大人も親子でもぜひ見てほしい展覧会です。
  
+ + + 

10/1〜11/30

愛書総覧 ちひろの本棚

没後10年「長新太の脳内地図」展

ちひろ美術館コレクション 無限の夢幻

http://www.chihiro.jp/azumino/

 

※美術館の許可をいただいて写真撮影しております。御了承ください。
 


トットちゃん広場へ 安曇野ちひろ美術館

 

安曇野ちひろ美術館

10月の秋晴れの日に安曇野ちひろ美術館へ行ってきました。

 

今年の夏オープンしたトットちゃん広場!たのしみにしていました。


“トットちゃん”は黒柳徹子さんの子どもの頃のあだ名です。

自伝小説「窓ぎわのトットちゃん」の世界を再現したトットちゃん広場、憧れの電車の学校・・どんな風になっているのかな?とワクワクしていました。

 

この日は6才の次男も一緒に。美術館といってもちひろ美術館ならば、子連れでものびのび見ることができて楽しいのです。

まずは美術館の展示を眺め、美術館の奥からちひろ公園へ。

 

ん??

誰かの足跡がありますよ。

安曇野ちひろ美術館

 

足跡をたどっていくと・・・

 

安曇野ちひろ美術館

「あ!電車!」

 

男の子は電車大好きです。

 

安曇野ちひろ美術館

本を読んで想像していたままの電車の学校がありました。

 

このふたつの車両モハとデハニ。

モハは昭和初期製、デハニは大正製の古い車両。

はるばる大型トレーラーにのせられてここ安曇野の松川村までやってきたのです。

 

 

さあ入ってみよう。

 

 

モハは図書室。「窓ぎわのトットちゃん」や絵本などがずらりと並んでいます。

 

デハニにはトットちゃん達が勉強した教室を再現。

 

机と椅子などは長野県池田工業高校の生徒さん達が製作したのだそうです。

レトロな風合いも再現していてすごいですね!

 

ちなみに、電車の教室を再現するにあたり、ひとつひとつの机の上は、

トットちゃんのクラスメイトそれぞれをイメージしながらつくられたそう。

トットちゃんの机は一番後ろのまん中にありました。

 

机の上に置いてある作文をぜひ見てみてください。

残っていた黒柳徹子さんの子どもの頃の作文を再現したのだそうです。

 

そして、教室のすみずみを見てみるとレトロなランドセルや文房具。

美術館スタッフの皆さんが当時使われていたであろうものを探したのだとか。

細部までこだわったからこそ、本の世界が流れているのでしょうね。

 

そして電車の横にはトモエ学園の講堂を再現。

 

広場にあちこちには、おはなしのかかれた看板。

この看板を巡ってオリエンテーリングが出来ます。

 

電車の横のベンチでおやつを食べたり・・

 

ベンチの手前には土俵!

土俵があったら、もちろんお相撲!

子どもってお相撲あそびが好きですよね。

トットちゃん達もおすもうして遊んだのです。

 

ああ楽しかった!とまた美術館に戻ります。

こうして外で遊んで美術館にまた戻って見られる事が子どもの切り替えになってとっても良いなぁといつも思います。

 

 

トットちゃん広場ができて、ますます充実の安曇野ちひろ美術館。

秋の安曇野の景色とあわせておすすめです。

 

ただいま開催中の展示は次回ご紹介します。

 

10/1〜11/30

愛書総覧 ちひろの本棚

没後10年「長新太の脳内地図」展

ちひろ美術館コレクション 無限の夢幻

http://www.chihiro.jp/azumino/

 

※美術館の許可をいただいて写真撮影しております。御了承ください。
 


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