私の長男がちいさな頃から書き始めたブログいわさきちひろ手帖。
時々休んだりもしながらゆっくりと綴り、そして長男はもうすぐ20歳となります。
子育てをするなかで、いわさきちひろさんの絵を窓にして見える景色。それを書いてきましたが、ここで一度ひと区切りさせていただきたいと思います。
このブログを書き続ける間、
いわさきちひろさんがとても近くに感じていました。恐れ多くもありますが、、
ちひろさんならばどう思ったかな?
ちひろさんならどうしていたかな?
なにを思って描いたのかな?
そう考えていると、
なんだか不思議と身近に思えて。
そして、それが今の自分のしていることと繋がっているようにも思えます。
世界中のこどもたちのしあわせを願ったいわさきちひろさん。
このブログが終わったとしても、これからも私はちひろさんの願いに共感しながら生きて、、それからこども達の未来のために出来ることをしていきたいと思っています。
いわさきちひろさんの残した絵や絵本、言葉がこれからもたくさんの方に届きますように。
長い間ありがとうございました。
いわさきちひろ手帖
ゆき
]]>北アルプスが白くなった朝。
こちら安曇野の朝は4度だったり1度になったり冷えてきました。
それが合図のように
冬支度をはじめて、薪の準備をしたり、あたたかく過ごすための用意をします。
いわさきちひろさんも晩年は黒姫山荘で過ごすことが多かったそうですが、寒い長野の冬をあたたかく過ごしたかしら?と暖炉の絵を見て思います。
火を眺めると時間がゆっくり過ぎていく。
心がとても落ち着きます。
最近の街では難しいかもしれませんが、私がこどもころは枯れ葉を集めて焚き火をしてお芋を焼きました。
子どもの頃に過ごしたのは東京の杉並区。
家も立ち並でいましたが路地や近所のお庭で焚き火をしていた記憶があります。
近所の人はみんな知り合いだったので、良かったのかもしれません。
「あ、焚き火しているね」
と集まってきてみんなでおしゃべりしたり
こどもは焼き芋食べたり。
そんなちょっとした思い出こそとても記憶に残っています。
季節の変わり目。
いろんなことを思い出します。
あたたかく過ごして、心も和らげたいですね。
]]>夏がようやく過ぎたような朝。
今年は6月から暑さが続いて夏が長く感じました。
過ぎ去るとなぜかほんのりとさみしさを感じるのが夏。
まぶたの向こうに緑の眩しさがよみがえります。
ちひろさんの夏の絵はそんな眩しさがいつも輝いている。
海、山、草原、青い空、、
眩しい夏の中で生き生きとしている子どもたち。ちひろさんの目にはきっとそううつっていたのだと思います。
だんだん季節が曖昧になりつつあるような…
気候が変わっていることを感じる日々でもあるけれど、巡る季節を大切にしたいです。
…
大きな台風が過ぎ去って、
被害のあったみなさまにお見舞い申し上げます。
2023年のいわさきちひろカレンダー出来上がりました。
新しい1年。
激動の年が続きますが、あたたかく優しく強く豊かな未来になるように願っています。
大判カレンダーは2ヶ月おきにめくります。
大きく美しい絵が季節と共にあらわれるたのしみがあります。
ポストカードカレンダーは1ヶ月ごとにめくります。
毎月の絵柄がたのしみです。
水彩、鉛筆、パステル、デッサン、さまざまないわさきちひろさんの絵を楽しむことが出来ます。
ポストカードサイズにカットして、手紙として送るのもすてきてす。
ちひろさんの願いを形にしたカレンダーが多くの方に届きますように。
平和を願って。
そろそろ夏も終わり。
ちひろさんの夏の絵は海がきれい。
ですが、私の暮らす安曇野では海は遠く、この絵のような草原の中で遊んでいる姿の方が身近です。
川辺だったり、山だったり、湖。
安曇野の夏は山の麓にある。
暮らす土地によって思い出の景色は変わり、ちひろさんの絵の中の景色も見る人の経験した時間がそれぞれに親近感を感じさせる。
大人になってみて
こうしてちひろさんの絵の中の子どもたちを見て、特に夏の絵の中には懐かしい思い出を見つけます。
そう思うと子どもの頃の思い出は、やはり大事なものですね。
8月ももうすぐ終わり。
ちょっと思い出を振り返りたくなる。
そんな夏の終わりです。
8月8日はいわさきちひろさんの命日。
巡って48回目。
今日は暑い1日でした。
今年は大きな戦争が起こったり、
まだまだ安心できぬコロナ禍でもあり、
うまく言葉が綴れませんでした。
書いては、違うかな…と消して
また書いては、なにかちがうかなと書き直して。
ちいさなブログですが、
いわさきちひろさんの絵を通して思うことを書き続けています。
私達が思うよりも大きな波に対して、気軽な言葉は書けず難しくて間があいてしまいました。
でも、また今年もちひろさん命日がきて、絵を見て思うのは、
私達のささやかな幸せについてです。
毎日おはようと言い
ごはんを おいしいねって共に食べて、
おしゃべりして笑って
おやすみなさいと言って安心して眠る。
そんなちいさな幸せが当たり前のように守られる世界でありますように。
世界中の子どもみんなに平和としあわせを
この ちひろさんの願いがみんなの願いになりますように。
ちいさな声でも言ってみよう
また改めてそう思う日でした。
]]>今年のいわさきちひろ大判カレンダー3月4月は新緑の緑が眩しい作品。
この作品の美しい緑を見るといつも草原を心地よく吹く風を思い浮かべます。
美しい自然の景色はちひろさんの作品の向こうにいつもあります。
美しい自然
こどもたちの笑顔
日々の当たり前の暮らし
それ以上に大切なものがこの世界にあるでしょうか?
今起こっている戦争のこと
それから多くの自然環境の変化の破壊
それを思うと、なぜそうするのか?と不思議でなりません。
この絵の中にあるあたたかくて優しいもの。
本当の豊かな時間はそういうことだと思います。
豊かさとはなんだろうか?
多くを求めてしまう気持ちとは?
また改めて思う日々です。
願うことと共に
出来ることをしてみる。
そうありたいと思います。
]]>ここ安曇野でも春はすぐそこまで来ています。
安曇野ちひろ美術館も冬のお休みが明けて開館。毎年、その知らせが届くと、そろそろ春だなぁと思います。
北アルプスはまだ白く美しいまま。
松川村のこの景色を ちひろさんも眺めていたのかと思うと不思議な気持ちになります。時間を超えて同じ場所に立っていたのかもしれません。
安曇野はそんな場所でもあります。
ぜひ安曇野ちひろ美術館で絵を眺めたあとは、美しい景色を楽しんでほしいです。
冬が長いここでの暮らし。
冬の楽しみもありますが、春がきた時の喜びはなんともいえず心が浮き立ちます。
どうしても
戦地のニュースに心が悲しくなりますが。
どうか力で人々の暮らしが押しつぶされることをやめてほしい。
そして、世界中のこどもたちが安心して暮らせる星でありますように。
]]>いわさきちひろさんが今 生きていたら
間違いなく
戦火の中のこどもたちを心配するはず。
安心して眠れること
笑顔でごはんを食べられること
こどもは自由に好きなことをしていい
こどもたちがどうかそんな風に暮らせますように。
ちひろさんの絵の中にあるとても優しくてあたたかくて、こどもたちを守りたいと願う揺るがない強さ。
こうして絵を掲載することで
その想いを遠い国のどこかの誰かに
届けられますように。
]]>いわさきちひろポストカードカレンダー2022 3月の絵柄です。
線で描いた花たち。
モノクロでも美しく、少女の横顔も凛々しい。
遠く離れた国のニュースを見て悲しく思う。
なぜ争わなくてはいけないのか?
けれども、私たちはその国の歴史をきちんと知らない。積み重なった時間の中で、なにがあったのか知らない。
なぜそうなるのか。
もっと考えなくてはいけないと思うのでした。
もちろん
どんな時でも、どんなことがあっても
人が人の命を奪ってはいけない。
ちひろさんの絵を見て
きっとまた悲しく思っているはず…。
と思う。
世界中のこどもたちが
平和の中で心豊かに暮らせますように
と、願わずにはいられません。
]]>あけましておめでとうございます。
2022年
今年もどうぞよろしくお願い致します。
31日は雪がよく降り、1日元旦はきれいに晴れた ここ安曇野です。
みなさんの地域はどうだったでしょうか。
ここ数年のコロナ禍で
さまざまな環境が変わりましたが
それによって大切なものが何かもよりくっきりと浮かび上がったような気がします。
いわさきちひろさんの伝えたかったこと。
人の優しさや思いやりや平和への願い。
まさにそれこそみんなで大切にすべきだと、強く思う1年でした。
困っていたら手を差し伸べたり
声をかけたり、、
当たり前のようで、でもそうならないことも感じることもありました。
溢れる情報に流されず
心強く自分の気持ちを信じていきたいものです。
世界中のこどもみんなに平和と幸せを…
新しい1年も ちひろさんの願いと共に。
ゆっくりの更新ではありますが、この手帖を綴っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
]]>12月15日。今日はいわさきちひろさんの誕生日。
「ゆきのひのたんじょうび」を毎年めくります。
主人公の ちーちゃんは、ちひろさんかなと思う。雪の降るのを楽しみに待っている女の子。
ちひろさんの誕生日。
雪が降らないかな?と思うけれど、
今年もまだ降りませんでした。
「ゆきのひのたんじょうび」の雪景色はとてもきれい。
私の住む安曇野はこんなにカラフルな家が並ぶわけではないけれど、広い景色が真っ白になる雪の日はやはり特別。
いわさきちひろさん。
生まれてきてくれてありがとう。
すてきな絵をたくさん私達に残してくれてありがとう。
お誕生日おめでとう。
きっとまた来年もそう思います。
安曇野ちひろ美術館では「ちひろ美術館コレクション エリック・カールさんをしのんで」を11月30日(日)まで開催しています。
「はらぺこあおむし」の作者エリック・カールさんは今年の5月に91歳でお亡くなりになりました。
私が子どもの頃に一番読んだ絵本は「はらぺこあおむし」ではないかと思います。
寝る前ににベッドで読んだこと、母が人形劇団に所属していてその演目で見たこと、幼稚園で読んだ時間、そして大人になり母となって子どもたちに最初に買った絵本も「はらぺこあおむし」です。
きっとそういった方も多いと思います。
溢れる色と美しさ、物語のユニークさ も魅力ですが、その根底にはこの世の美しい色、音、生き物を愛する気持ちが溢れているからこそ多くの人が惹かれるのではないかと思います。
今回の展示では、エリック・カールさんの願いやちひろ美術館との長年の交流。
カールさんが美術館を訪れた時に描いた絵や言葉など貴重な作品を見ることができます。
エリック・カールさんが寄贈した作品、ちひろ美術館のコレクションのはじまりとなった貴重なおんどりの絵も並んでいます。
ここで写真を載せるより、やはりその場でみて感じてほしいと思い写真は少なめにしました。
きっと原画を見て何かを思うはず。
エリック・カールさんもいわさきちひろさんも子どもの頃の戦争体験を越えて、子どもたちの平和を願い絵本を描いてきました。
子どもたちが幸せであること。
それが未来の平和へ繋がる。
ふたりの願いです。
カールさん 素晴らしい絵本の数々をありがとう。
その絵本を読んで大人となった今、あらためて私もできることをやってみようと心に思いました。
+++
そして安曇野美術館では「ちひろ美術館コレクション 絵本で世界を旅しよう!」もあわせて開催しています。
(あ!知ってる!)という絵本の原画も発見するかもしれません。
世界旅行が難しい今ですが、心は自由に旅へ行ける。
そんなことを思うたのしい展示です。
+++
11月30日(火)までの4つの企画展をどうぞお見逃しなく。
安曇野ちひろ美術館は12月1日から冬期休館です。
館内のすてきなパネル。
◎記事の写真は美術館の許可をいただいて撮影しております。ご了承ください
安曇野ちひろ美術館
2021.9.11(土)ー 2021.11.30(火)
◉没後1年 田畑精一『おしいれのぼうけん』展
◉ちひろ美術館コレクション エリック・カールさんをしのんで
◉ピエゾグラフによる わたしの好きなちひろ展
◉ちひろ美術館コレクション 絵本で世界を旅しよう!
]]>
9/11からはじまった安曇野ちひろ美術館の4つの企画展。
とても楽しみにしていた「没後1年 田畑精一 おいしれのぼうけん展」も開催されています。
絵本が好きな方なら一度は手にするであろう絵本「おしいれのぼうけん」。
子どもでも大人でも、まずはそのタイトルからぎゅっと心掴まれる絵本ですね。
原画を見られるとはとても幸せです。
展示室でまず目を引いたのは、田畑精一さんのお写真。
お人柄が表れているとても良い写真だと思いました。
田畑精一さんはいわさきちひろと同じく、その創作の原点は戦争体験があったそうです。
子どもたちに絵本を作ることへ情熱を注ぎ、創作活動を続けました。
展示室の奥にはずらりと並ぶ原画。
その多さは圧巻!
1枚1枚の絵からは丁寧な表現、繊細さ、想い、情熱があふれています。
そして、「おしいれのぼうけん」の表紙の絵。
しっかりと手をつなぎみつめあう主人公の絵はとても印象的です。
原画からあふれる力強さに見入ってしまいました。
この絵本は、描いた田畑精一さんだけではなく、文を書いた児童文学者の古田足日さん、そして編集者の3人が一体となって作った本なのだそうです。
このページの絵、初めて読んだ時にインパクトを感じましたが、この絵が一番最初に描かれたのだとか。
田畑さんのこの絵に古田足日さんはいたく感激して、この鉛筆画の表現で全ページ表現することを希望したそうです。
また田畑さんの絵に惚れ込み、そのためならば文章は削っても良いと話したそう。
創作にかかわる大人たちの本気を感じるエピソードです。
「おしいれのぼうけん」は現実世界からふとしたことで幻想の中に飛び込む。
子どものころ、私もおしいれや洋ダンスの中にはいって想像したものです。
もしかしたら、その夢の扉が開いてまだ見ぬ世界に行けるかも..と。
子どもの想像力ってなかなか力があります。
そんな子どもたちを現実から引き込むためにもきちんとしたリアルさを求めたのだそうです。
展示では、他の絵本の原画、習作、さらには若き頃の人形劇時代の人形も展示されています。
また田畑精一さんの言葉を綴ったパネルも。
その情熱、真剣な想い、心に残りました。
安曇野ちひろ美術館での展示は
11月30日(火)まで。
どうぞお見逃しなく。
◎記事の写真は美術館の許可をいただいて撮影しております。ご了承ください
]]>
9月11日から安曇野ちひろ美術館では新しい展示が始まりました。
4つのすてきな企画展の同時開催です。
どの展示もとてもすばらしい内容でしたので、いくつかに分けて書こうと思います。
まずは「ピエゾグラフによる わたしの好きなちひろ展」。
こちらの展示は“みんなの選んだちひろの絵”で構成される展覧会です。
今年の3月より募集した わたしの好きなちひろ展のメッセージ募集。
2000件を超えるメッセージが届いたそうです。
展示室には絵の隣に選ばれたメッセージが添えられています。
ちひろの絵から浮かぶ思い出。
未来への願い。
子どもの頃の記憶や家族への気持ち。
たくさんの言葉をひとつひとつ読むたびに共感し、絵を通して心がつながるような感覚。
このブログを始めた日に選んだ作品もセレクトされていました。
絵の向こうからこちらをのぞく子どもたち。
ちひろさんの赤ちゃんの絵の中で一番好きな作品も並んでいてうれしい。
(同じ気持ちの人がいるんだなぁ)とメッセージを見て親近感を感じてみたり。
展示を見終わり、なんともあたたかな気持ちになりました。
とても愛に溢れている企画展です。
ちひろさんは描くことで、こどもたちの幸せを願い、
みんなの心のふるさとになれるような作品を描きたいと言葉をのこしていたけれど、まさにその思いを形にしたような展示だと思いました。
やさしい気持ちや誰かを想う気持ちは誰の中にもある。
たくさんのメッセージを見てあらためて確信できました。
企画展だけではなく常設展示のこちらも必ず見る場所。
トットちゃんの電車教室を再現した部屋。
トットちゃんが通ったトモエ学園の思い出の写真や物語にでてくる言葉が展示されています。
こちらもあわせてとてもおすすめです。
「ピエゾグラフによる わたしの好きなちひろ展」は
安曇野ちひろ美術館、ちひろ美術館・東京どちらも秋に開催されています。
◉安曇野ちひろ美術館 9/11-11/30
◉ちひろ美術館・東京 10/2−1/16
東京のほうはどんな展示だろうか?と安曇野で暮らす今、思いを馳せます。
どうぞお近くの方はちひろ美術館・東京の展示へ足をお運びください。
安曇野ちひろ美術館の公園も秋のはじまり。
良い風が吹いています。
◎記事の写真は美術館の許可をいただいて撮影しております。ご了承ください
]]>