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  • 2023.03.19 Sunday
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絵本案内vol.12 あめの ひの おるすばん

いわさきちひろ,あめのひのおるすばん,絵本

久しぶりの絵本案内です。

もうすぐ6月ですので、梅雨の季節に読みたくなる1冊「あめの ひの おるすばん」をご紹介します。

至光社から出版された絵本シリーズの最初の1冊。
編集者の武市八十雄さんとともに作ったこのシリーズはどれも印象的な絵本です。

パっとページをめくる。

すると、ハッとする色、構図、言葉が目に飛び込んできて

心に感じるものがある。


「あめのひのおるすばん」の1ページ。

いわさきちひろ,絵本

なんともいえない緑、そして大きな風船。
おるすばんの不安な気持ち、お母さんを探している気持ちが伝わってきます。
私はこのページがとても好き。
突然現れる風船と色、心をつかみとられます。

いわさきちひろ,絵本
そして曇った窓に描く姿。
にじみを使って、水滴の滴り落ちる描写がすばらしく美しい場面です。

すっかり忘れてしまったこの遊び。
子どもの頃はよく窓に絵を描いたっけ・・と思いだします。

開くたびに美しい世界。
子どもがひとりで過ごす想像の時間が感じられる1冊です。

そして、この絵本シリーズを見ると、思いだすちひろさんの言葉。

私は私の絵本のなかで、
いまの日本から失われたいろいろなやさしさや、
美しさを描こうと思っています。
それをこどもたちに送るのが私の生きがいです。

 
どうぞ梅雨の日にお子さんと読んでみてください。
そしてお留守番についてお話してみると楽しいかもしれません。
 
+ + + 
 
いわさきちひろ美術館のホームページの紹介されているこちらもあわせてどうぞ。

「わたしのちひろ」
ちひろの絵と人生に思いを寄せる人々の言葉を紹介しているページです。
→ 武市八十雄氏 至光社編集者

 

習作と絵本


「となりに きたこ」(習作)1970年

2004年に開かれたいわさきちひろ展のカタログの見開きページ。
 
モノクロのこの絵は 絵本『となりに きたこ』の習作です。
とても細い線で描かれていて美しいですね。
絵本はカラーですし、グッと太いパステルで描かれていて印象が違います。

ちひろさんの絵には鉛筆、パステル、水彩・・描く素材によって道具を変えそれぞれに印象が変わります。
習作を見ると、作品作りの経過を感じることが出来て興味深いです。


物語を描く時に
どんな描き方で表現するのか?
どんな構図で?
どんな表情で?
と、なんども描いて、、物語に一番あう表現を見つける作業の奥深さを感じます。
 
絵本はお話のワンシーンを絵で切り取り、子ども達が感じとって想像する。
ページ数が少なくても、1冊できるまでにたくさん捨てて選び取るのですね。
 
習作を眺めながら、そんなことを考えたりするのでした。

絵本を読んでいると「あ、このページすごくいいな!」って思ってずっと忘れられないことがある。
それはきっと作家が一番嬉しいことかもしれません。




 

いわさきちひろのあいうえお

いわさきちひろ
以前も紹介したかと思いますが、お気に入りのこの本の話をふたたび。

赤い表紙がかわいい、この本は「あいうえおのほん」。
ひらがなを覚えはじめた子どもにぴったりの1冊です。

最近、5才の次男が字に興味を持ちはじめたので一緒に読んでいます。

我が家はどちらかというと、子育ては何事もゆっくりペース。
文字も早くから覚えさせるより、子どもが知りたくなったら始めています。

いわさきちひろ
次男が最初に覚えたのは『な』。
自分の名前に使う平仮名だからです。

「あいうえおのほん」では『な』がつく言葉に、ななつぼし。
なんとなく嬉しいです^^

字を覚えたら、やっぱり書きたくなりますよね。
そんな時には、点と点をつないで書く方法で遊びながら。

私が点を書いて、番号を振り、それを次男がなぞります。


そして、字を覚えると、自分で本を読める。
あたりまえのことですが、次男がそれに気がついた様子を見て面白いなぁと思ったのでした。

よくある「勉強ってなんでするの?」という疑問の答えは、きっとこんなことなのでしょうね。


 

真っ白を描く

いわさきちひろ
柿の木と3人の子ども達 1965年『ちひろ 秋の画集』p29より

すっかり秋になりました。

柿の木と子ども達を描いた絵。秋になると眺めたくなります。
 
ころんとしたオレンジの柿と木の枝、コントラストが鮮やかで好きです。

この作品の続きなのか、子ども達がいなくなって椅子だけが残っている作品もあります。
それもなんだか好きです。
今はいないけど、そこにいたことを感じさせる・・そこが良いのかな。
 
ちひろさんの作品はふんわりとした少女やその優しさを取り上げられる事が多いですが、パッと見て絵の構成のすばらしさにいつもハッとさせられます。
空間の使い方のすばらしさですね。

何も描いていない白ですが
目に見えないだけで実は描いている。

本当に描きたいものを生かすためには、どんな白が必要か?

ちひろさんの白はとても独特で自然です。
 

わたしがちいさかったときに


 
八月六日のあの時、ぼくはまだ、がっこうにいってはおりませんでした。
ぼくはその時、近くのふろやまえであそんでいました・・
そのときせいちゃんが、はたけにいって花をもってきてちょうだい、といったので、とりにいった。
きゅうにひかったので、びっくりしていえにいこうとすると、
きゅうに目の中にはりがたくさんはいって、どこがどこだかわからない・・・


「わたしがちいさかったときに」p.9より抜粋

 
広島で被爆した子ども達の作文や詩が綴られたこの本。
ちひろさんの絵が添えられています。
 
今日は長崎に原爆が投下された日。
 
あらためてその恐ろしさを思います。。
 
先日、ちひろ美術館で「わたしがちいさかったときに」の
この詩と絵をみた時に、はっとさせられました。


あどけない子どもの隣のお母さんの苦悩の表情。 
この絵のむこうには、こどもたちが幸せでいてほしいというちひろさんの強い想いを感じました。
 
本の存在は知りつつ、まだ読んでいなかったので読みはじめてみると、、
子ども達の声に心がとても痛み、つらくて、涙がでました。
 
当たり前の日常を一瞬で奪い去ること、
その瞬間から人生すべてを奪う力に
いくら考えても正当な理由はみつけられません。
 
何かを得るために人の手に余る力をつかうこと、
どうかそんなことはもう起こりませんように。
 
  
そして、歴史を知ることは、未来への力になるはず。
本として当時の出来事が残っている事の大切さも感じました。
 

 
 
 

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